対局者より目立つ解説の趙治勲。 2013年3月3日 NHK杯
山田規三生と向井千瑛が対戦した準々決勝。
対局は白熱した一戦であったのは確かだが、いかんせん解説の趙治勲の面白さが際立っていたために二人の存在自体が薄れた。
終局の時点で、どっちが勝ったかはあまり気にならなくなってしまっていた。
それぐらい趙治勲は存在感がある。
趙治勲の解説のスタイル。それは自然体。肩に全く力が入っていない。
よく冗談を言ったりしているが、面白いことを言ってやろうという姿勢で臨んでいるわけではなく、笑いが後からついてきている感じ。
そして、囲碁の解説を心から楽しんでいる。そこまで楽しめるのは囲碁が大好きだからに他ならない。
また、非常にリラックスしているが、度が過ぎて言葉使いが雑だったり、投げやりな態度や言動をとっているわけではない。
今回は酒を飲んでいるのかと思うぐらいに饒舌だったし、楽しそうだった。
去年の解説は真面目な雰囲気も出していたが、この解説の趙治勲は笑う回数が多かった。
物静かで聞き上手でかわいらしい下坂美織が司会というのもあったのか。
周りが見えずに一人浮いているのかというとそうではなく、視聴者に対しては常に気を配っている。
こんなにテレビ慣れして、視聴者に笑いを届けられる解説者は趙治勲以外にいないだろう。
|