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NHK囲碁講座テキスト

黄孟正(こう もうせい)

  • 親のすすめで9歳で囲碁を始めた。父親は非常に厳しく、囲碁を指導中に殴ったり蹴ったりは当たり前だったという。その頃はプロになりたいとまでは思っていなかった。
  • 台湾に囲碁のプロ制度はなかったが、当時囲碁最強の日本に行ってプロになるという道はあった。黄はプロの囲碁棋士になるための奨学金制度を使って来日し、富田忠夫名誉九段を師匠に仰いだ。黄は「全部捨てて台湾から日本にやってくるので必ず棋士にならなければならない」と強く思っていた。ちなみに、同じ奨学金制度で黄の前には王立誠、後に王銘琬が日本にやってきている。
  • 17歳で入段したが、親からは祝福の言葉はなく「これは通過点だ」と厳しい言葉をもらった。
  • 入段から9年経った1985年、台湾で囲碁の英雄として知られている林海峰に勝利。林は黄の目標でもあった。林は対局後の感想戦が非常に長いのが有名。その日も電車がなくなる夜遅くまで黄との対局を振り返ってくれて、黄は言葉にならないぐらい嬉しかった。
  • 謝依旻の師匠。来日した頃の謝は激しい力碁で、こういう勝ち方もあるのだなと思ったという。謝は強く言うと聞かないが、やわらかく言うとすぐに納得するらしい。若い頃の黄は謝と似ていたようで、だからこそ黄は謝の扱い方がうまく、来日後の謝は順調に力をつけていったのかもしれない。師匠から弟子へ一方通行の教え方でなく、師匠が弟子に諭させる教え方を黄は常に念頭においている。
  • 謝が多くのタイトルを獲得する棋士となり、今までに謝の就位式に多く参加している黄。今後は自分の就位式に謝をよべるようにタイトルをとれるまでの棋士になりたいと抱負を語っている。

(2015年9月放送囲碁フォーカスより)