- 台湾出身。三兄弟。皆囲碁棋士。
- 若い頃、碁盤全体を使って相手の石を追い詰めていく「ゾーンプレス」を得意とし、注目を集めた。いい碁とは勝つ碁である、と信じて疑わなかった。
- 20代で順調にリーグ戦に入る。すぐに陥落してしまうが、理由もなく「すぐにまた戻れるだろう、そのうち何とかなるだろう」と思っていた。
- しかし10年近くリーグ戦に戻れないことで、やっと「あのときは運がよかっただけ」と思うようになる。気がつけば30歳もすぎていた。
- その後、囲碁の勉強もちゃんとして、やっとの思いで名人戦のリーグに戻れた。今度は簡単には陥落しないぞ、と意気込んでのぞんだ。全力を尽くしたものの当たり前のように8戦全敗。
- この事実を前にして「このレベルで戦っていける力がない。勝ちを目指しても勝てない。」つくづくそう思わされた。どうやって碁を打っていけばいいのか考え直さなければならなくなった。
- そんなとき、研究会仲間で親交のあった釼持丈(けんもち じょう)八段がかけてくれた言葉で王は生き返る。「碁は勝敗抜きで面白いことがたくさんある。」
- 碁盤を自分の遊園地だと思って楽しもうと思い始めた王は、勝ちを求めずに自分が面白いと思う手を打つことで碁を楽しむようになった。すると徐々に内容がよくなり、初の七番勝負の挑戦権を得ることになる。王はそこまでいけるとは夢にも思わなかったようだ。
- そしてそのタイトル戦を制し、ついに本因坊に。38歳。その後は防衛も果たす。
- 今後目指していくスタイルとして、王いわく「一番アマチュアに近いプロ」。あまり深く考えないで、見えた一番素直な手をえらんでいきたい。勝てなくても碁を楽しむ気持ちはもち続けたい、と語る王は非常にいきいきとしていた。
(2013年4月の囲碁フォーカスより)
|

|