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NHK囲碁講座テキスト

棋士200人が選んだ語り継ぎたい妙手・名手 第1位 加藤正夫

1986年 名人戦 第4局 / 白:加藤正夫 挑戦者 / 黒:小林光一 名人

黒地の中に白1子でつっこんでいく感覚。驚愕の一手だったと加藤の弟子は振り返る。黒が△(A12)にすべった局面。白番。加藤の放った手はQ2のツケ。黒は黒2でR2と応戦するも、白3でS3。 これには黒4でR3とツグしかなく、白5のS4で黒2子をとりこんだ。白1のツケから黒6までで、白の先手7目の手だった、と対局者の小林はふりかえる。ちなみに、この黒2子を白からとりにいく手は白10目。

黒から白2子をとりにいく手でも白2目。細かい碁になりそうと予想していた小林だが、この一撃でその計算は大いに狂うことになる。 結局小林名人はこの対局で2目半負け。この名人戦シリーズ、小林は挑戦者加藤に4連敗を喫してしまう。「タイトル戦で4連敗したのは後にも先にもこのときだけ」と小林はふりかえっていた。