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NHK囲碁講座テキスト

先手(せんて)

「この手は先手だ。」と言えば、「ここに打てば相手はそれに必ず応じなければならない。だから次の自分の番では、自分が好きなところに打つことができる。」 ということを意味する。囲碁では先手をとることは主導権をとることに等しいので非常に大切。反対語は「後手(ごて)」。後手にまわることを「後手をひく」ともいう。

例えば、左図。黒が黒1でB13に打つ手を「黒の先手」という。すなわち「黒が打ったその手に対して、白は必ず受け答えるであろうから、その次の黒番(黒3)で黒は好きなところに打てる。」ということ。 黒1でB13はどうして「先手」なのか。C15とD15の黒2子は周りを白で囲まれているので、カス石とよんでいい。白は白2でC14としないと、黒にそのカス石を助けだされてしまう。

カス石が生きたとなると、左上は白の勢力圏とはいえなくなり白不満。よって白は必ず白2でC14を打つ。そうでないと被害が大きい。だから、黒1でB13は「黒の先手」といえる。 白2でC14の後、黒は黒3でC7に打って左辺を安定させることができた。